また何かそして別の聴くもの

だらだら坂から - 日々のヴァラエティ・ブック

読書

日曜日の印象

街行く人が着ている黄色いTシャツが、チャリティTシャツに見える日曜日。朝から新刊書店をうろうろ。新潮文庫の100冊、今年のプレミアムカバーに見とれてしまう。同時にまたも、紙の本の未来、みたいなことをぼんやり考えた。 小さいお子さんを連れた若いご…

土曜の夜と一様の麻

少し迷ったが、仕事帰りにまた三宮で途中下車してしまう。予想通りというか、予想以上の人いきれ。本当にどうしたものか。1時間で引き上げようと自分に言い聞かせる。 ジュンク堂書店三宮店で、近田春夫「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」(文春新書)を購入…

木曜日を左に曲がる

午前中のゲリラ雷雨が嘘のように外が明るくなった。明日、休みを頂いた私はもっと明るくなった。胸いっぱいの解放感が早めの退勤を促す。ターンレフト・ターンライト。右に曲がればいつもの帰路だが、今日は左に曲がり、買い物にでも行こう。 ● 阪急オアシス…

公園に行かないか?火曜日に

コロナ禍がやってきて、我が職場でもランチタイムは大きく様変わりした。外食はもちろん自粛。職員食堂では私語厳禁、皆が一方向を向いて座り、黙々と食べるのみである。まるで誰もが囚われの身であるかのようだ。 ● かつてのランチタイムは、職場近くの小さ…

月曜日の床

ゆらゆらと気味の悪い浮遊感を全身に感じ、目を覚ますとやはり地震だった。岐阜県で震度4だという。関西は震度2。この震度でもハッとなって目が覚めてしまう。この条件反射は、今なお体幹に宿る阪神大震災の恐怖なのだと、あらためて感じる。あの震災を経…

まるで僕らはエイリアンズ

今朝、フジテレビのトーク番組「ボクらの時代」に稲川淳二さんが出ていた。所謂「怪談」の語り手需要は、令和になっても安定しているのだろうか。子供たちがまだ小さい頃、「ほんとにあった怖い話」とか「耳袋」とかを、家族でワーキャー叫びながら楽しんだ…

きみの町じゃもう雨は小降りになる。

雨音に気づいて遅く起きた朝。いやそんな優しい雨ではなく、土砂降り。災害リスクも高まっているらしい。また気象情報のシグナル。とんだ三連休のはじまりだ。あれだけピーカンの夏空を嘆いていたのが嘘のよう。 ● 近所のSUBWAYのサンドウィッチを娘に頼まれ…

Close Your Eyes

結局今年もお盆帰省の自粛が呼びかけられている。でもどうなんだろう、昨年よりきっと人は動くはず。じぶん一人だけでも父の墓参りに、と考えてはみたが、田舎は色々喧しいのだった。実家区域の情報をぎりぎりまで収集してから決めようと思う。 ● 先日購入し…

月曜の夜も出たくない

台風の影響で大荒れの連休四日目。明日から三日間は出勤。 月曜が祭日の際は、火曜朝一の会議のデータ資料準備が必要で、たかだか一時間の作業のためだけにいつも休日出勤している。 しかしいざ出かけようとすると、おそろしい暴風雨。やはり昨日出勤すれば…

シューマ幻想小曲集

今日も晴れ。連休三日目。昨日に引き続き、新潮2021年9月号をパラパラやっていた。水村美苗「大使とその妻」という新連載。2021年3月号「創る人52人の『2020コロナ禍』日記リレー」にも参加されていた水村さん。 「つまらなかった」松本清張『点と線』(映画…

サマータイム・ブルース

今日も晴れ。連休二日目。西淀川区のパン屋さん(?)、大豆◯、ならぬ「こまめ商店」へ。あずき溢れるマリトッツォやおはぎパン、豆乳食パンが最高な、関西パンフリークの隠れスポットなのだ。 しかしなんと本日休業。土日休業をすっかり忘れていたのだった。…

イはイニシエーション・ラブのイ

今日から四連休。故郷の母親の調子が予想以上に良いので、帰省は自粛ということになりそう。帰省に限らず、いま、何かを選ぶ、という行為は、すべて答えのないクイズのようだ。 同じく今日から連休で、西宮ガーデンズに買い物に出かけると言っていた娘が、面…

原平合戦

今日も晴れ。夏本番。しかし相も変わらずの自宅と仕事場の往復に、心躍る機会は少ない。そしてさすがに、メダルの獲得数と新規感染者数のフリップを交互に眺める日々はとても辛い。みんな街角のペシミスト。故郷の冬を歩きたくなる。 ● 西宮北口駅で下車し、…

周馬と謙一、または、ちょっとピンボケ。

何がきっかけというわけではないが、安田謙一著「ピントがボケる音」(以下ピンボケ)を、書庫と化した元息子の部屋から引っ張り出し、毎夜パラパラやり出した。復読に耐えうる名著だとあらためて思う。 この書、自らの記憶に間違いが無ければ、2003年の発売…

ドライブ・マイ・カー

今日も晴れ。暑い。公休なので、自宅でだらだらと時間だけを消費する。午後になって、本日たったひとつの用事、定期点検の車をディーラーまで走らせる。 途中、何気にバックミラーを見ると、後続車に乗っている3人が全員、激しく団扇を振っていた。クーラー…

Summer Into Winter

今日も晴れ。暑い。いよいよ必須アイテムとなった4点セット、冷感スプレー、携帯扇風機、日傘、そしてマスクを着用して出かける。戦闘服はUNIQLOエアリズムポロシャツだ。 ● 本日から開催のさんちか古書大即売会へ。思ったより人が多かった。田中小実昌『コ…

まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声

今日はこちら関西でも台風の影響か、日差しが少しマシ。ニュースはオリンピック大感動と、過去最多の感染者数を交互にやるのでついていけない。どっちやねんネタ「フリースの半ズボン」を思い出す。暑いんか寒いんかってやつ。 ● 通勤電車内で、先日小西康陽…

短編の断片 #4

今日も晴れ。昨夜洗った車に乗ると気持ちがよくなり、そのままドライヴに出た。フロントガラスには悲しくなるほど「郊外」な景色が流れ続ける。 ファストフード店、ドライヴ・スルー、回転寿司チェーン店、ホーム・センター、ファミレス、中古車センター、コ…

短編の断片 #3

今日も晴れ。セミのユニゾン・コーラスもSMAPを超え、46グループなみの分厚さになってきた。世間は四連休だが、ぽつぽつ仕事に出る。7月はもう終わろうとしているが引き続き呑気にいこう。僕の人生にも事件は起きない。 ● オリンピックは昨晩、無事に開会式…

短編の断片 #2

今日も晴れ。雲がいよいよ「夏み」を帯びてもこもこしてきた。 どうしようどうしよう夏が終わってしまう 心の中の絲山秋子がそう叫んだのも束の間、職域での些細ないざこざが暗雲のように立ち込め溜息をつく。人に言わせりゃ指のささくれ程度の気鬱だが、堪…

短編の断片 #1

交尾したまま浮遊する二匹の蜻蛉。カラカラに干からびたカナブンとミミズの死骸。なぜかその光景で梅雨明けを実感する。ギンギンギラギラの夏なんです。夏なんだし、と歌ったのは星野みちるさんでしたね。 ● 冷房の効いた部屋、ふんわりソファーで、アイステ…

清張松本がすべらない話

昨日は半年おきの検査で病院へ。結果は悪くなく、ほっと胸を撫で下ろす。これで次は一年後となった。気を良くした午後、お気に入りのパン屋に行き、夏野菜のサンドウィッチ、カレーパン、などを買った。自宅のリヴィングでそれらを頬張りながら、呑気にTV…

東京のロビンソン・クルーソー・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー

小林信彦の週刊文春連載「本音を申せば」が突如の最終回。自分は毎号購読するほどのユーザーではないが、近田春夫「考えるヒット」、坪内祐三「文庫本を狙え!」、数々の名物連載が終了していった中、何となく小林先生のだけは永遠に続くような気がしていた…

はじまりさえ歌えない

Twitterよりやや長文を書きたくなってはじめることに。本が好きで音楽が好きで時々映画も好きで、ってそんなブログ。そう書いたら、ああ恥ずかしい。もはや履歴書の趣味・特技欄のような無香性。でもやるんだよ、ですか。 ● ブログタイトルは筒井康隆先生の…