まるで僕らはエイリアンズ
今朝、フジテレビのトーク番組「ボクらの時代」に稲川淳二さんが出ていた。所謂「怪談」の語り手需要は、令和になっても安定しているのだろうか。子供たちがまだ小さい頃、「ほんとにあった怖い話」とか「耳袋」とかを、家族でワーキャー叫びながら楽しんだものだが、子供の成長とともに全く観なくなってしまった。
そもそもホラーや悪霊ものなどより、じぶんはもっと日常にフォーカスした、ヘンテコな恐怖話が好きなのであった。
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穂村弘氏の「愛の暴走族」というエッセイ。仲間から不思議な思い出が次々と語られ、結果的にそれらは、恋愛相手の嫉妬がもたらした意思表示だったのでは、と一応のオチはツクのだが、震撼するのがその手段だ。
独りくつろいでいる部屋に、もしもゆっくりとシャボン玉が流れ飛んできたとしたら。
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怪談の季節である。
の書き出しで始まる、安田謙一さんのエッセイ「なんでわかった?」も大好きだ。そして怖い。
語り手、森脇健児氏(笑)。この絶妙なキャスティングが素晴らしい。なによりこの話をフックアップした安謙さんが素晴らしい。
この男の正体が、幽霊なのか、エイリアンなのか、最後までわからないのがよい。なのに、確かに漂う変な感じ。ああ、やっぱり怖い。語り手が森脇健児という役者不足を補ってあまりある、いい怪談だと思う。